3月 17
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カウンターの向こう側
~第80章(80杯目)~
私(ここのBar)のマスターは地元出身なので、たまに同級生も飲みに訪れます。同級生同士で来店し、昔話に花を咲かせていることもありますし、同じ職場の方とカウンターで仕事の話をしていたり、最近では成人した子供と一緒に飲んだりと他のお客様同様、ウイスキーやカクテルを共にしながらBarの空間を楽しんでおられます。
とある夜、マスターの同級生が職場の方と来店されました。『オリンピック・カクテル』をオーダーした後で、マスターに「職場の後輩がここのBarを気に入っていて、先日の飲み会の席でここで覚えたお酒や葉巻の話を皆にしているのを小耳に挟んだよ」と伝えていました。
マスターが自分たちは同級生と伝えたか尋ねるとその方は「マスターと僕が同級生なのと、後輩がここのBarが好きなのは別だからね」と笑って言われていました。
知ってるけど言わない。そんな大人の心遣い、Barで聞いた優しいお話のひとつですね。
【オリンピック・カクテル】
ブランデーベースのカクテルで1900年にパリで開催された第2回オリンピックを記念して作られたそうです。