6月 17
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とある夜、60代後半と40歳ぐらいの女性がお二人おみえになりました。
お二人は親子らしく、お母様は若い頃以来のBarへの来店にとても喜んでおられました。
しばらくお二人でカクテルを飲みながらさまざまなお話をされていましたが、
ふと、お母様が若い頃の恋話をされだしました。
「私が若い頃、お付き合いしていた男性とBarに行ったら、最後にチェリーブランデーを必ず飲むの。
そうすると帰り道に口づけ(キス)されたとき『良い香りがするね』って喜ばれたのよ」
と、少し色っぽいお話を、
少しいたずらっぽい笑顔で娘さんに話されていました。
娘さんは優しい笑顔でうなずいて聞いていました。
しばらくしてお母様がマスターに
「最後に何か下さい」
と言われたので
マスターはチェリーブランデーが入った
【キス・イン・ザ・ダーク(暗闇でキス)】というカクテルを作りました。
お母様は初めて飲むそのカクテルを 嬉しそうに、そして懐かしそうに味わって帰られました。
Barで飲むカクテルには、遠い昔のロマンスを思い出させてくれることもあるのでしょうね。
【キス・イン・ザ・ダーク】
古くからあるカクテルでいつの頃つくられたかは不明。
マティーニにチェリーブランデー(ブランデーにチェリーを浸漬したリキュール)を加えた少し強めの大人のカクテル。